忙しい毎日を送る共働き夫婦にとって、家事の時間をいかに短縮し、効率よくこなすかは大きな課題です。
限られた時間の中で快適な暮らしを維持するためには、「時短家事」の工夫が欠かせません。
この記事では、共働き夫婦に特におすすめしたい、無理なく続けられる時短家事スタイルを具体的にご紹介します。
1. 家事の「分担」より「可視化」で協力しやすく
共働き夫婦の家事ストレスの多くは「見えない家事」が原因です。
たとえば、
「洗濯物を取り込んで畳む」
「食器を片付ける」
「ゴミをまとめて出す準備をする」
など、一つひとつは小さな作業でも、積み重なることで大きな負担となり、片方に偏りがちになります。
こうした見えにくい家事を公平にこなすためには、「分担すること」よりも「家事そのものを可視化」することが重要です。
見えるようにすることで、「やった・やってない」の認識違いがなくなり、自然と協力体制を築きやすくなります。
以下のような工夫で、家事を「見える化」することができます。
☆家事リストを作成して冷蔵庫や目立つ場所に貼り、誰でもすぐに確認できるようにする
☆スマホの共有アプリ(例:Google Keep、Todoist、Trelloなど)でタスク管理し、完了の記録を残す
☆毎週末に「家事ミーティング」を開き、1週間の振り返りと次週の分担を決めることで、モチベーションの維持にもつながる
☆カレンダーアプリで曜日ごとの家事タスクを設定し、ルーティン化する
また、可能であればタスクの所要時間や頻度を見積もって可視化するのもおすすめです。
たとえば「洗濯物を干す:約10分、週5回」など、数値で示すことで見えない負担を明確化できます。
家事の可視化を通じて「気づいた方がやる」から「お互いが気づける」へとシフトすることで、夫婦の家事協力はよりスムーズになります。
結果として、無駄な確認や重複作業も減り、全体としての家事時間の短縮にもつながります。
2. 「ながら家事」で自然と作業効率アップ
時間を有効活用するために、「ながら家事」は強い味方です。
特に平日の朝や夜の限られた時間帯に、2つ以上の作業を組み合わせて行うことで、効率が飛躍的に向上します。
ながら家事は、身体的にも精神的にも負担を減らすことができ、「やらなければいけない」というプレッシャーを軽減するのにも効果的です。
以下のような組み合わせで、日々のルーティンを効率化できます。
☆朝の支度中に、電気ポットでお湯を沸かしながらシンクの食器を片付けたり、朝食の準備を進める
☆夕飯を作りながら翌日の弁当の下ごしらえをするほか、冷蔵庫内の整理整頓も同時に実施
☆テレビを見ながら子どもの持ち物チェックや、保育園・学校の連絡帳記入をする
☆入浴後に浴室の鏡を拭いたり、水切りワイパーで壁や床の水分を取ることで、掃除の手間を大幅に減らす
☆洗濯機の終了を待つ間に、ゴミの分別や郵便物の仕分けを済ませておく
このように、単独で行うと時間がかかる家事も、「何かのついで」に組み込むことで効率的に消化できます。
また、タイマーやスマートスピーカーを活用して「〇分後に知らせる」と設定しておくと、家事の切り替えタイミングを逃さず、無駄のない動きが可能になります。
ちょっとした「ついで」の積み重ねが、1日の家事時間をぐっと減らし、自由な時間を生み出す大きな助けになります。
3. キッチンは「出さない収納」で掃除時間を削減
キッチンは家事の中心となる場所であり、毎日のように使うスペースです。
しかし、物が出しっぱなしになっていると、料理のたびに片付けが必要になり、その都度時間を取られてしまいます。
また、調理台やシンク周りに物が多いと、拭き掃除がしにくくなり、衛生面にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そこでおすすめなのが、「出さない収納」です。なるべく視界から物を減らすことで、作業スペースが広がり、調理効率も上がります。
さらに、ホコリや油汚れが付着しにくくなるため、掃除の頻度や手間を大幅に削減できます。
以下のような具体的な工夫で、キッチンの時短化を図りましょう。
☆よく使う調味料は、コンロ下の引き出し収納にまとめておき、使用時だけ出す
小さなカゴやケースでカテゴリ分けすると、見つけやすくなります。
☆調理家電(トースター、炊飯器、ミキサーなど)は、キッチンカウンターに置かずに、キャスター付きのワゴンやスライド棚に収納し、必要なときだけ引き出す方式に。
☆ボウルやまな板、ザルといった調理器具も、吊るす収納をやめ、引き出しや棚の中に収めることでホコリ防止にもなります。
☆キッチンマットをあえて敷かず、床の拭き掃除をしやすくする。
汚れたらすぐに拭ける環境にすることで、毎日の掃除が格段にラクになります。
さらに、収納スペースにラベリングをしておくと、夫婦どちらが使っても物の所在がすぐにわかり、探す手間を省けます。
また、年に数回は「使っていないキッチンアイテムの見直し」を行うことで、収納に余裕ができ、日々の家事効率にもつながります。
視界がすっきりすると、心もすっきり。掃除や調理のしやすさだけでなく、キッチンに立つ時間そのものが快適になり、結果的に家事全体の時短につながります。
4. 洗濯は「干さない」選択肢を
洗濯物を干す・取り込む・畳む…といった作業は、一見小さな家事のように思えますが、毎日続くことでかなりの時間と労力を消費します。
特に天候に左右されやすく、雨の日や湿度の高い日には乾きにくく、ストレスにもなりがちです。
そうした背景から、共働き世帯には「干さない洗濯」という選択肢が非常に有効です。
具体的には、以下のような工夫が役立ちます。
☆乾燥機付き洗濯機を活用し、洗濯から乾燥までを一貫して自動化。
スイッチひとつで完結することで、洗濯物を干す・取り込むといった手間を大幅に削減できます。
☆洗濯物の種類を見直し、シワになりにくいポリエステルや化繊素材の衣類を選ぶことで、アイロンがけの必要も軽減。
洗って乾かすだけでそのまま着られる服が増えれば、毎日の準備時間も短縮されます。
☆衣類を畳む工程を省略し、ハンガーにかけてそのまま収納する「ハンガー収納スタイル」を取り入れる。
クローゼット内に吊るすスペースを増やすことで、衣替えの手間も最小限に。
さらに、洗濯ネットを活用し、衣類ごとに仕分けたまま洗濯・乾燥できるようにすると、仕上がり後の分類作業もスムーズに行えます。
このように、洗濯を「干す」前提から解放することで、毎日の家事における負担は大きく軽減されます。
朝の時間に余裕ができれば、夫婦それぞれがよりスムーズに一日をスタートでき、気持ちにもゆとりが生まれます。
また、時短家電の導入は初期費用こそかかりますが、長期的に見れば労力と時間の節約につながり、精神的な負担軽減にも寄与します。
家庭のライフスタイルに合った設備投資として、前向きに検討してみる価値は十分にあるでしょう。
5. 「買い物の時短」はネットスーパーと定期購入で
共働き家庭にとって、買い物にかかる時間も意外と大きな負担となります。
特に仕事帰りや休日にスーパーに立ち寄ると、混雑やレジ待ち、買い忘れなどで予定以上に時間を取られてしまいがちです。
また、頻繁に買い物に出ると「ついで買い」も増え、家計にも影響を及ぼすことがあります。
こうした無駄を減らし、効率的に日用品や食材を調達するためには、ネットスーパーや定期購入の活用が非常に効果的です。
以下のような工夫で、買い物自体を効率化しましょう。
☆ネットスーパーを活用して、週1回のまとめ買いを習慣化。
必要なものをリスト化しておけば、買い忘れも防げます。重い物やかさばる品(米、飲料水、洗剤など)も自宅まで届くので、持ち運びの負担もありません。
☆よく使う調味料や洗剤、トイレットペーパーなどの日用品は、オンラインで定期購入を設定しておくと便利。
ストック管理の手間が省けるうえ、買い忘れのリスクも減ります。
☆料理が苦手、もしくは献立を考える時間がない家庭には、レシピ付きの食材キットを活用するのがおすすめ。
食材の無駄がなく、必要な分だけ届くため、冷蔵庫の整理にもつながります。
☆地元の農家や地域の宅配サービスを活用すれば、新鮮な野菜や果物を手軽に取り入れることができ、健康面にもメリットがあります。
さらに、家族で買い物リストを共有するアプリ(LINEのリマインくん、買い物メモアプリなど)を使うことで、必要な物を随時記録でき、誰でも買い物対応が可能になります。
このように、買い物を自動化・簡略化することで、移動時間や店内での迷いを減らし、平日の家事負担を大幅に軽減できます。
空いた時間は家族との団らんや自分の趣味、休息に充てるなど、より豊かなライフスタイルに直結するのです。
まとめ:無理のない工夫で、家事をもっとラクに
共働き夫婦にとって大切なのは、「完璧を目指すこと」ではなく、「無理なく続けられること」です。
家事を分担する上でのストレスを減らすには、一つひとつの作業を細かく見える化し、負担を均等にする意識が重要です。
また、「がんばる家事」ではなく、「ラクに続けられる家事」を目指すことで、心の余裕も生まれます。
本記事で紹介した「ながら家事」や「出さない収納」、「干さない洗濯」や「ネットスーパーの活用」などは、すべて小さな工夫ですが、組み合わせることで大きな時短効果を発揮します。
こうした工夫は一度にすべてを実践する必要はなく、ライフスタイルや生活リズムに合わせて、少しずつ取り入れていくことで自然と身についていきます。
さらに、家事を「一人で抱え込まない」ことも重要です。パートナーと一緒に試行錯誤を重ねることで、お互いの得意・不得意を理解し合い、よりよい分担方法を見つけられます。
加えて、便利な家電やデジタルツールを積極的に導入することも、共働き世帯には大きな助けとなります。
ぜひ、自分たちのライフスタイルに合った時短家事スタイルを見つけて、毎日の家事時間を少しずつでも減らし、時間と心のゆとりを手に入れてください。
その積み重ねが、より快適で豊かな家庭生活につながっていくはずです。